『看護覚え書』を読む
『看護覚え書』を読む
『看護覚え書』を読む
薄井坦子 著
- A5判 並製 238ページ
- 定価:2,860円(本体 2,600円+税)
ナイチンゲールを正当に評価し継承した著者による
『看護覚え書』との対話
読むとは、表現の向こうにある著者の認識の構造を探ること――。
ナイチンゲールを正当に評価し継承した著者・薄井坦子は『看護覚え書』をどう読んだのか。
本とは著者の認識の表現、読むとはその認識を深く探ることとして、自らが『看護覚え書』を読むなかで生じた問い、発見、驚き、得心をありのままに示し、『看護覚え書』への向かいなおしを読者にうながします。「綜合看護」での長期連載「解説 看護覚え書」を書籍化しました。
著者はどのようにしてナイチンゲールの『看護覚え書』のなかに看護の本質と看護の独自性が示されていることを発見しえたのか。著者が示した読むという行為の全貌から、その答えをたぐることができるでしょう。
古いという理由で軽視したり、あるいは名著としてただ持ち上げたりしてきた『看護覚え書』にあらためて向かいあうことは、ナイチンゲールを正しく継承し、多くを受けとり自分のものとすることにつながります。本書を手に、もう一度『看護覚え書』に向き合ってみてください。
『看護覚え書』を書かれているままに読んだのではたいして役に立ちはしない。
広島市生まれ。お茶の水女子大学で教育学を専攻。同大卒業後、東京大学医学部衛生看護学科へ進み看護学と出合う。看護とは何かを問い続けるなかでナイチンゲールが看護の本質を明らかにしていることを確かめ、以後、看護教育に専心する。東京女子医科大学附属高等看護学校教務主任、同看護短期大学教授を経て、1974年千葉大学看護学部創設準備委員、1977年同大教授。1980年ナイチンゲール研究会(現・ナイチンゲール研究学会)、1981年看護科学研究会(現・看護科学研究学会)を設立。1997年宮﨑県立看護大学初代学長に就任(~2011年)。主な著書に、ナイチンゲール看護論を継承発展させた『科学的看護論』(日本看護協会出版会)、『ナースが視る人体』『ナースが視る病気』(ともに講談社)、共訳書に『看護覚え書』(現代社)ほか多数。
[目次]
はじめに Preface を読む / 序章 Introductory を読む / 1章 換気と保温 Ventilation and Warmingを読む / 2章 住居の健康 Health of Houses を読む / 3章 小管理 Petty Management を読む / 13章 病人の観察 Observation of the Sickを読む / 4章 物音 Noise を読む / 補章 看護師とは何か What is a Nurse? を読む / 12章 おせっかいな励ましと忠告 Chattering Hopes and Advices を読む / 5章 変化 Variety を読む / 6章 食事 Taking Food を読む / 7章 食物の選択 What Food? を読む / 8章 ベッドと寝具類 Bed and Bedding を読む / 9章 陽光 Light を読む /10章 部屋と壁の清潔 Cleanliness of Rooms and Walls を読む / 11章 からだの清潔 Personal Cleanliness を読む / おわりに Conclusion を読む
引用文献・参考文献
付録 理論看護学 必読文献/薄井坦子 著作目録